甲状腺内科
THYROIDOLOGY
甲状腺内科について

「喉仏」のすぐ下、気管を囲むように位置する甲状腺は、蝶が羽を広げたような形をした小さな臓器です。重さは10~20gほどですが、全身の新陳代謝や成長を促すホルモンを分泌する重要な役割を担っています。そのため、甲状腺の機能が活発になりすぎたり、逆に低下したりすると、全身の健康に様々な影響を及ぼします。
甲状腺ホルモンの異常によって引き起こされる病気は、20~40代の女性に多く見られます。バセドウ病や橋本病などがよく知られており、血液検査や超音波(エコー)検査で診断することができます。
こんな症状の方を
診ています
- 動悸がする
- 汗をかく
- 手や指が震える
- よく食べるのに痩せてきた
- イライラすることが多い
- 眼球が出てきたように感じる
- 体が冷えて寒い
- 肌が乾燥する
- 月経が不順
甲状腺疾患の診断
甲状腺疾患は専門家が検査や問診を行えば、比較的診断しやすい病気です。まず問診や喉への触診、検査では甲状腺の腫れやしこりを確認する超音波検査、甲状腺ホルモンやそれを調整するホルモンなどを測る血液検査が一般的です。ホルモン検査は一般的な健康診断では実施してなく、似た症状でも違う病気の可能性があるため、ご自身で判断せず、専門医に相談しましょう。
甲状腺の治療
甲状腺の治療は多くの場合で薬による症状緩和が見込めます。数か月から数年で甲状腺疾患の治療を終え、薬も飲まなくて済むようになることも期待できます。
ただし、再発も考えられるため、定期的に通院して甲状腺の状態をチェックしましょう。
甲状腺検査機器
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超音波検査(甲状腺エコー)
喉にある甲状腺に超音波をあて、甲状腺の大きさ、腫瘍病変の位置や大きさ・性状などを調べます。
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甲状腺ホルモン検査(採血)
血液検査でホルモン濃度を測定します。
主な甲状腺疾患
甲状腺機能亢進症
(バセドウ病など)
甲状腺機能が過剰になる病気の中で、最も代表的なものがバセドウ病です。女性の患者さんが男性の約5倍と多いのが特徴です。バセドウ病になると全身にさまざまな症状が現れます。新陳代謝が活発になり、脈拍が速くなったり、汗をたくさんかくようになったり、暑がりになったり、疲れやすくなったりします。また、37.5℃前後の微熱が続くこともあります。精神面では、落ち着きがなくなったり、イライラしたり、不眠になったりすることがあります。食欲が増すのに体重が減る人もいれば、逆に食べ過ぎて体重が増える人もいます。目の周りの変化として、顔つきや目つきがきつくなったり、目が飛び出して見える眼球突出が挙げられます。ただし、眼球突出の症状が現れるのは、患者さん全体の3割程度です。
甲状腺機能低下症(橋本病など)
甲状腺機能が低下する病気の代表が橋本病です。この病気はバセドウ病とは反対に、甲状腺ホルモンが不足することで、新陳代謝が低下し、全身の機能が老化したような症状が現れます。例えば、無気力になったり、物忘れがひどくなったり、頭の働きが鈍くなったりします。症状が進行すると、認知症の一因となることもあります。その他にも、寒がりになったり、肌が乾燥してカサカサになったり、全身がむくんだり、髪が抜けやすくなったりします。また、強い眠気を感じて活動的でなくなることも特徴です。
甲状腺腫瘍
甲状腺に見つかる腫瘍には良性と悪性があります。腫瘍が見つかった場合、まず超音波検査(エコー)で詳しく調べます。そこで悪性の疑いがあれば、さらに穿刺吸引細胞診(細い針を刺して細胞を採取する検査)を行い、良性か悪性かを判断します。ただし、この検査だけでは良性か悪性かの区別が難しい場合もあり、最終的な診断のためには手術が必要になることもあります。
無痛性甲状腺炎
何らかの原因で甲状腺が破壊され、蓄えられていた甲状腺ホルモンが血液中に流れ出てしまう病気です。この病気は痛みを伴わないため、「無痛性甲状腺炎」と呼ばれています。通常は一時的な甲状腺機能亢進症で、数か月でホルモン値は正常に戻ります。比較的短い期間に、動悸、暑がり、体重減少などの症状が現れるのが特徴です。
亜急性甲状腺炎
甲状腺に炎症が起こり、血液中の甲状腺ホルモンが増加する病気です。病気が治るまでの期間が2~4ヶ月程度と、急性でも慢性でもないことから「亜急性甲状腺炎」と呼ばれています。ウイルス感染などが原因で起こることが多いですが、詳細な原因はまだ分かっていません。この病気になると、甲状腺のあたりが硬く腫れ、痛みを伴うのが特徴です。痛みは、左右に移動することもあります。また、甲状腺ホルモンが大量に血液中に流出すると、動悸や手の震え、強い倦怠感といった症状が現れます。








